「地盤調査の方法って、会社によってどれだけ違うの…」
「地盤調査の結果って、どうやって見たらいいのかしら…」
家を建てる時に必要になってくるのが「地盤調査」。
「地盤調査」をすることで、安全・安心な家づくりが可能になってきます。
「地盤調査」について、あなたに伝えたいことは5つ。
POINT
- 地盤調査は法律によって義務化されている
- 「木造」と「鉄骨造」では、調査方法が違ってくる
- 新築住宅なら調査は半日で終わり、費用は5万円ほど
- 調査結果では「N値」に最注目、地盤改良の基準となる
- 土地購入前に地盤の状態を知りたいなら「地盤マップ」がおすすめ
ただ、地盤調査をしたせいで、多額の追加費用に悩まされている人がいるのも事実…。
建築会社が教えない、地盤調査の真実に迫っていくことにします。
クリックできる目次
地盤調査の目的とは
地盤調査とは、土地の強度を調べ「建物の荷重や沈下に耐えられるか」を把握する作業のこと。
一般的な木造2階建て住宅(40坪)の場合、総重量は100トン以上にもなります。
軟弱地盤に家を建てた時、最も恐ろしい現象が「不同沈下」。
家全体が均等に沈むのではなく、斜めに傾いた状態で沈下すること
不同沈下が起ると、
- 窓がゆがみ、雨が吹き込む
- ドアが傾き、カギがかけられない
- 建物にすき間ができ気密性が低下、冷暖房の効きが悪くなる
- 腐食が進み、建物の寿命が短くなる
など、建物が大きなダメージを負うだけでなく、日常生活にまで支障が出てくることに…。
しかも、「不同沈下」が表面化するのは建設してから5年を経過してから。
家の重さによって地盤は徐々に変形していくので、「不同沈下」に気づいた時にはすでに手遅れになっています。
地盤調査は義務?
新築住宅を建てる場合、建築会社は「瑕疵担保保険」に入ることが義務化されています(品確法)。
住宅に欠陥が見つかった場合、引き渡し後10年間は無償で修理してもらえる保険。
たとえ建設会社が倒産しても補償は受けられるので、安心して購入できるようになっています。
瑕疵担保保険に加入するには「地盤調査」が必要条件。
ただ、地盤調査自体が法律で義務化されている訳ではありません。
なかには、地盤調査を行わず家を建築する悪徳業者が存在するのも事実です。
POINT
安全・安心な住宅を建てるために、地盤調査は絶対に欠かせない作業です。
新築戸建の地盤調査の種類は「スウェーデン式サウンディング試験」
戸建住宅の地盤調査では、「スウェーデン式サウンディング試験」が主流となっています。
北欧のスウェーデンで最初に採用された地盤調査の方法なので、「スウェーデン式」という名前になっています。
「スウェーデン式サウンディング試験」の手順
戸建住宅の場合、5か所(建物の四隅と中央部)で調査するのが一般的。
スウェーデン式サウンディング試験の仕組みは簡単で、手軽に行えるのが特徴です。
- ロッドの先にスクリューポイントを取り付け、地面に垂直に突き立てる
- 最初は5㎏の重りを付けて、何㎝沈むか調べる
- 重りを増やしていき、最終的に100㎏で何㎝沈むか調べる
- 100㎏の重りでも沈まない場合はスクリューを回転させ、25㎝沈むのに何回転したかをチェックする
「スウェーデン式サウンディング試験」はJIS規格にも認定されているので、どの調査会社でもやり方が変わることはありません。
「JIS規格」は、産業標準化法に基づいて制定される「国レベルの規格」のことです。
調査できる深さは何メートルまで?
「スウェーデン式サウンディング試験」で調査できる範囲は地中10mほど。
10mを超えると調査精度が低くなるので、他の調査方法を採用する必要があります。
「表面波探査」も増えてきています
最近、増えてきている調査方法が「表面波探査法」。
機械でわずかな地震を発生させ、“ゆれ”の伝わる速さを検出器で測定するのが特徴。
コンピューターによって計測を行うので、「スウェーデン式サウンディング試験」より信頼性の高いデータを得ることが可能です。
「スウェーデン式サウンディング試験」の方法は国によって規定されているので、どの調査会社でも原則同じやり方です。
マンションの地盤調査なら「ボーリング調査(標準貫入試験)」
マンションなどの大規模建築では「ボーリング調査」が一般的です。
63.5㎏のおもりを約75㎝の高さから自由落下させて、30㎝貫入させるのに必要な打撃回数を測定します。
ボーリング調査では、深い深度(100m程度)まで採掘可能。
試験と合わせて
- 地層の調査
- 土の採取
を行うことで、地盤の組成を知ることもできます。
「3階建て」や「鉄骨造・RC造」も重量があるので、ボーリング調査を行います。
「スウェーデン式サウンディング試験」と「ボーリング調査」の違い
地盤調査の方法による違いを簡単にまとめると、次のようになります。
横にスクロールできます⇒
調査方法 | 簡易さ | 正確性 | 費用 |
ボーリング調査 | △ | ◎ | △ |
スウェーデン式サウンディング試験 | ◎ | △ | ◎ |
表面波探査法 | 〇 | 〇 | 〇 |
「スウェーデン式サウンディング試験」が通用するのは木造のみ。それ以外は「ボーリング調査」が必要です。
地盤調査事務所に依頼する場合の費用相場
地盤調査は、ハウスメーカーが専門の地盤調査会社に依頼して行うのが一般的。
ちなみに、調査方法ごとの目安費用は次の通りです。
スウェーデン式サウンディング試験 | 5万円 |
表面波探査法 | 10万円 |
ボーリング調査(標準貫入試験) | 20~30万円 |
一条工務店のように、住宅メーカー自らが地盤調査をする場合もあります。
ハウスメーカーの費用負担に注意
ハウスメーカーによって、地盤調査費の取り扱いは大きく違います。
なかには最初の見積もりに含まれておらず、後から個別に請求される場合も…。
地盤調査費をどの段階で・どうやって支払うのかは、事前にチェックしておくことが大切です。
安く見せるために、地盤調査費を見積書に含めていないハウスメーカーも多くあります。
関連 【注文住宅の見積もり書を公開】実際の比較で分かる注意点とは?
地盤調査はいつから?時間はどれくらい?
地盤調査の1番の目的は「家の重さに耐えられるか」。
つまり、
- 建物が土地のどのあたりに配置されるのか
- 建物の角がどの部分にくるのか
- 大きな荷重がかかる場所はどこか
など、家の設計がある程度決まった状態で調査しないと意味がありません。
地盤改良費の見積もりを出すために「仮の地盤調査」をする場合もありますが、プラン確定後に再調査することになります。
地盤調査の期間は?
地盤調査にかかる時間は次の通り。
スウェーデン式サウンディング試験 | 2~3時間 |
表面波探査法 | 2~3時間 |
ボーリング調査 | 1日~数日 |
「スウェーデン式サウンディング試験」や「表面波探査法」は、半日もあれば終了。
「立ち会い」を求められることもありません。
ボーリング調査は、
- 大型機械の搬入
- 足場の組み立て
が必要なので、調査に日数がかかってしまいます。
地盤調査結果が送られてきたけど、どこを見たらいいのかしら?
地盤調査報告書では3つのデータに注目
地盤調査の結果として送られてくるのが「地盤調査報告書」。
「地盤調査報告書」を見ると、地盤調査以外に2つのデータを総合的に判断して判定をしていることが分かります。
- 資料調査
- 現地踏査
- 試験結果
1 資料調査
資料調査は
- 地形図
- 土地条件図
- 過去の地盤調査資料
などから、地盤の情報を集め、地域の地盤の状態を判断します。
地盤が弱いと予想される場所
- 田や畑から造成された敷地
- 新しい盛土や埋立地
- 地形分類で「谷底低地」や「旧街道」にあたる土地
地盤が強いと予想される場所
- 古くからの集落がある場所
- 地形分類で「台地」や「段丘」にあたる土地
地名からも地盤は予想できる?
地名は地形や地質と関連していることがあるので、地盤の様子を推測することが可能です。
- アキタ(秋田)⇒低湿地
- ベップ(別府)⇒新田開拓地
- ニイガタ(新潟)⇒砂洲・干潟
- コシガヤ(越谷)⇒崩崖 など
特に、水に関係する地名は軟弱地盤であることが多いので注意してください。
地名は時代によって変更されたり、人の名前に由来する場合もあるので、水に関係する地名が必ずしも地盤が弱いとは限りません。
2 現地踏査
「現地踏査」は、調査員が実際に現地を訪れて、周辺の様子を観察します。
- 地図では読み取れない地形
- 擁壁の高さ
- 周辺の住宅や道路
など、資料調査の内容を確認しながら情報を収集。
近くにある水路や河川も、大きな判断材料になってきます。
樹木でも地盤は分かる?
地盤が軟弱な場合、樹木が深く根を下ろすことができないので、背の高い樹木が育ちにくい傾向に。
樹木に詳しい人は、自分でも観察してみてください。
3 試験結果の見方
地盤調査報告書にある主な項目と意味は次の通りです。
荷重 | ロッドが25㎝貫入するのに要したおもりの重さ (1KN=100㎏) |
半回転数 | 25㎝貫入するのに要したロッドの半回転数 (回転数が0の場合は「自沈」、半回転数が多いほど硬い地盤です) |
貫入深さ | ロッドが沈んだ深さ。 (表の下に行くほど、地面から深い地盤になります) |
貫入量 | 25㎝ごとに測定するので、25㎝単位で深さを区切っています |
1m当たりの半回転数 | 半回転を1m当たりに換算したもの |
音・感触 | ロッドが貫入する際の音や感触を「ジャリジャリ」や「カリカリ」などの言葉で表現 |
貫入状況 | ロッドが貫入していく様子。 (「無回転急速」は、ロッドが回転しないので自沈したということ。) |
推定柱状図 | 砂層や粘土層など、土質を推定して記入します (×マークは盛土)。 |
換算N値 | 地盤の硬さを評価する数値 (数値が大きければ、硬く締まった地盤だと言えます) |
許容支持力 | 「荷重」と「1m当たり半回転数(Nsw)」から、地盤の支持力(地耐力)を推測した数字 |
地盤調査の結果も大切ですが、「土地の成り立ち」も大きな判断材料となっています。
地盤調査で重要な「N値(換算N値)」とは
地盤調査で最も大切になってくるのが「N値(換算N値)」です。
- N値…ボーリング調査によって分かる「土の硬さ」や「締り具合」を示す単位のこと
- 換算N値…スウェーデン式サウンディング試験から推察される「N値」のこと
N値のNは、「Numerical value」のことです。
「N値」や「半回転数50以下」で軟弱地盤が決まります
N値は「基礎仕様」や「地盤補強」を判断する材料にもなっていて、軟弱地盤と判定される目安は次の通りです。
- 粘性土でN値が4以下(換算N値なら3以下)
- 砂質土でN値が10以下(換算N値なら5以下)
- スウェーデン式サウンディング試験の半回転数(Nsw)が50以下
地盤改良の方法は3種類
住宅建設地の地盤が弱かった場合、建物を安全に支えるための地盤補強工事が必要に。
地盤改良工事の方法は主に次の3つです。
横にスクロールできます⇒
工法 | 特徴 |
表層改良工法 | 土とセメントを混ぜ合わせることで地盤を強固にする方法 (軟弱地盤が2m以下) |
柱状改良応報 | セメントの柱を打ち込んで建物を支える方法 (軟弱地盤が2m~8m) |
鋼菅杭工法 | 鋼菅を打ち込んで建物を支える方法 (深さ30mまでの補強が可能) |
表層改良工法なら50万円ほどの費用で済みますが、鋼菅杭工法になると200万円を超えることも珍しくありません。
地盤調査報告書の「N値」によって、家の工事が大きく変わってきます。
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POINT
土地購入前には、ハザードマップで防災情報をチェックすることも大切です。
関連 【ハザードマップの土地評価ガイド】土地探し(選び)の注意点とは?
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- 第2編 資料調査・地質調査
- 第3編 物理探査・検層
- 第4編 ボーリング
- 第5編 サンプリング
- 第6編 サウンディング
- 第7編 地下水調査
- 第8編 載荷試験
- 第9編 現場密度試験
- 第10編 現地計測
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【まとめ】地盤調査をしないのは法令違反
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