「地縄貼りって、どうしても立会いをしないといけないの…」
「地縄が張られたんだけど、どんなことをチェックしたらいいの…」
家の工事のスタートとなる作業が「地縄貼り」。
私も「地縄張り」に立ち会ったおかげで、工事トラブルなく家を完成させることに成功しています。
「地縄張り」について、あなたに伝えたいことは3つ。
POINT
- 地縄貼りによって、家の建築場所を掴むことができる
- 地縄立会いでは、「GL」や「隣地境界線」の確認が大切
- 地縄張りで狭く感じるのは、錯覚が原因なので心配なし
ただ、地縄貼りで確認ミスをしてしまい、トラブルになっている人が多いのも事実…。
建築会社が教えない、地縄貼りの真実に迫っていくことにします
クリックできる目次
「地縄張り」とは何?読み方はどうなの?
工事着工のスタートが「地縄張り」です。
【読み方】ぢなわばり
建物のだいたいの位置を確認するために、敷地に縄を張る作業のこと。
設計図面を確認しながら縄を張っていきますが、最近は「ビニールひも」を使うケースがほとんど。
地縄張りをすることで、境界までのキョリも一目で確認できるようになります。
「地縄張り」は最初の工事。家づくり後半戦のスタートです。
地縄張りの方法と道具
地縄貼りに必要な道具は次の通り。
- ハンマー
- メジャー(巻き尺)
- 縄(ビニールひも)
- 杭
- 電卓(ルート計算機)
- 配置図
まずは「隣地境界杭」を確認。
隣地境界線から建物までのキョリは測り、「杭」を打ち込みます。
同じように建物4隅の位置に「杭」を打ち、ロープを張れば完了。
正確には基礎の時に測定し直すので、多少の誤差は問題ありません。
地縄貼りにかかる時間は、およそ30分~1時間ほどではないでしょうか。
地縄張りでの直角の計算方法
「地縄張り」でロープを直角に張りたい場合は、中学校で習う「三平方の定理」を利用するのが最も簡単。
対角線にロープを張り、
- 縦:3
- 横:4
- 斜め:5
の関係になっていれば「直角」。
計算が複雑になる時のために、ルート計算機があると便利です。
地縄張りの後は「遣り方(やり方)」
地縄張りの後に行う作業が「遣り方(やり方)」。
地縄張りより50㎝ほど離れた場所に「杭」や「板」を張り、建物を囲む作業。
「遣り方」が基準になって基礎工事が行われるので、地縄張りと同じように大切な作業の1つです。
「地縄張り」と「遣り方」を行うことで、後の基礎工事がスムーズに進行していきます。
【地縄張りマジックに注意】小さく・狭く見えるのはなぜ?
「地縄張り」をした後に確認してみると
- 小さく見える
- 狭く感じる
と思われる方がほとんど。(実は私も「狭い!」と感じました…)。
「狭い」と感じるのは、錯視が原因で起きる脳のメカニズム。
「高さ」の情報がないため、平面的に捉えてしまい「小さい・狭い」と感じる訳です。
メイクで顔に立体感を出すと小顔に見えるのも、錯視の1つです。
基礎ができると大きく感じる
実は、錯視が原因によるマジックはずっと続いていくことになります。
地縄を張った時より、基礎が出来た時のほうが大きく感じる
⇓
基礎だけの時より、骨組みが建った時のほうが大きく感じる
⇓
内部壁が出来上がると、骨組みだけの時より狭く感じる
⇓
クロスを仕上げると広く感じる
人間の脳って、本当に不思議ですね!
POINT
「錯視」が原因なので感じ方が違うのは当然。間取りに問題がなければ、快適な暮らしが待っています。
「地縄立ち会い」は必要?
「地縄立会い」とは、地縄張りを確認する作業のこと。
注文住宅では、基本的に建築主の立会いを求められます。
未着工の建売住宅を購入した場合、立会いを案内されることは少なくなっています。
ただ、地縄貼りの日に立会いを求めるのは、スケジュール調整が大変。
- 都合の良い日に確認したり
- 地鎮祭を行う前に確認したり
などのケースも増えてきています。
「立会い」を求められるのは、後で建築トラブルになるのを防ぐためでもあります。
地縄張りで確認することは3つ
「地縄立会い」では、工事監督さんから地縄張りについての説明があります。
たくさんの説明がありますが、特に3つのことに注意してください。
- 「隣地境界線」を確認する
- 家の周りのスペースを確認する
- 「GL」の確認
1 「隣地境界線」を確認する
家を建てる時によくトラブルになるのは「隣地境界線」。
隣地境界線は、「自分の敷地」と「お隣の土地」の境界を定める線のこと。
自分の敷地内であっても、隣地境界線から50㎝以内に進出してはいけないとされています(民法第234条)。
隣地境界線を定めるのは、
- 日当たりが悪くなる
- お隣の声が響いてしまう
などのトラブルを防ぐため。
隣地境界線を破ってしまうと、建築中止や損害賠償を求められる場合があるので注意してください。
民法なのでお隣さんが合意していれば問題ありません。また、地域によって50㎝ルールが適用されない場合もあります。
2 家の周りのスペースを確認する
設計図で見るのと、実際の感覚は違うもの。
実際に、家の周りを歩いてみて「スペースが十分か」をもう一度チェックしてください。
具体的なチェック内容は次の通り
- エコキュート・出窓などがある所は、その分の幅を確かめる
- 外構で壁やフェンスを周囲に施工する場合は、その分の厚みもチェックする
- 車を止めるスペース、車の出し入れをシミュレートする
歩いてみて問題が見つかれば、工事担当と早急に話合うことが大切です。
3 「GL」の確認
地縄立会いでは「GL」の確認も大切。
GL(グランドレベル)とは、家を建てる土地の平均した高さのこと。
道路やマンホールを基準にして、そこから一定の高さを「GL」とします。
「GL」は、使い勝手いい高さに設定することが大切です。
「GL」を下げると…
GLを下げすぎると、雨水の排水能力が低下。
- 雨水が建物側に流れてきたり
- ゴミや落ち葉などが溜まりやすくなったり
してしまいます。
「GL」を上げると…
道路からの建物の高さが上がるので、玄関入り口階段の段数が増えてしまうことに…。
元気な時は問題がなくても、老後の生活が心配。
車いす生活になった時、スロープを付けようにも急な坂になってしまいます。
「GL」の上げ下げは慎重に!どうしても必要な場合のみ現場監督に頼んでください。
「地縄張り」の時って、ご近所さんへ挨拶に行った方がいいの?
挨拶回りは「地縄張り」ではなく「地鎮祭後」にするのが一般的
近所への挨拶回りをするなら、「地鎮祭後」がおすすめ。
建設工事を行う時に、工事の無事や家族の繁栄を祈る儀式のことです。
挨拶回りでは工事関係者と一緒に行きますが、粗品を持っていくのがマナーです。
「地縄張りをしてから地鎮祭を行う」のが一般的ですが、地鎮祭を先にすることにこだわる人も多くいます。
POINT
地鎮祭後の挨拶回りで、初めてご近所さんと対面することになるはず。マナーには十分に注意してください。
【まとめ】自縄検査のポイント
地縄張りの特徴をまとめます。
POINT
- 地縄貼りによって、家の建築場所を掴むことができる
- 地縄立会いでは、「GL」や「隣地境界線」の確認が大切
- 地縄張りで狭く感じるのは、錯覚が原因なので心配なし
地縄張りの後は、いよいよ「地鎮祭」。
「スケジュール調整」や「初穂料」のマナーには、十分に注意してください。
あなたにおススメ!